利回りとは? ~その数字にだまされるな!?実際にあった体験談~
こんにちは、ジモーラモです。
不動産投資をするうえでこの物件がよいのか悪いのか、その判断基準となる1つが利回りです。
利回りには大きく表面・実質利回りの2つがあり、不動産投資サイトに載っているほとんどは表面利回りです。
「おっ、このアパート利回りが15%もある!ヒャッハーーーー!!」
と安易に飛びついては危険です。
今回は表面利回りと実質利回りの違いについて、そして「そもそも載っている利回りに計算があっているのか?」といったことを体験談もまじえてお話ししたいと思います。
利回りとはなんぞや? ~①表面利回り~
簡単に説明すると、不動産投資における利回りとは「全ての部屋が1年間満室で稼働した時の金額 ÷ 不動産を購入したときの金額」で出た数字をさします。
例えば…不動産の購入金額が1,000万円、1年間の満室賃料が100万円の場合の利回りは…
100万円 ÷ 1,000万円 = 10%
となりますね。
この「10%」を表面利回り(=グロス利回り)といいます。
不動産投資サイトに載っている利回りのほとんどはこの表面利回りです。
利回りとはなんぞや ~②実質利回り~
これに対して実質利回りとはなんでしょう?
先に例に挙げた1,000万円の物件は、そのまま1,000万円では購入できません。
購入するには様々な諸費用(登録免許税、司法書士代、印紙代…など)を支払う必要があります。
それらを全て含めた金額が、実際の購入金額になりますね。
おおよそ物件価格の10%ほどかかるといわれていますから、ここでは100万円の諸費用がかかったとしましょう。
購入してからも払うものがあります。
管理会社に払う管理料、共用部の水道光熱費、年に4回の固定資産税など…
意外にこまごまとしたお金が飛んでいきます。
私が持っている物件では毎月約6%のランニングコストがかかり、3ヶ月分の家賃に相当する固定資産税が懐から消えていきます。
計算しやすくして、ここでは毎月1万円(年間12万円)のランニングコストがかかるとしましょう。
以上のことから実際の利回り(実質利回り)は…
(100万円 - 12万円) ÷ (1,000 + 100万) = 8%
2%も下がってしまいました!
「たった2%じゃないか…」
と思った方、よく考えてみてください。
今回の例でいうと、年間で20万円も収入が下がります。
1ヶ月のお給料よりちょっと少ない程度でしょうか?
実質利回りを計算し、しっかりとしたシミュレーションが大事ですね!
実質利回りを計算しても落とし穴はまだある!
購入を考えている物件の実質利回りを計算し
「よし、いける!」
とはならないでください。
その理由は「そもそもこの家賃設定は相場とあっているのか?」ということです。
相場とかけ離れていたら、せっかく計算した実質利回りも意味がなくなります。
ここでジモーラモの体験談を1つ。
ある不動産会社の営業の方から、ジモーラモの自宅近くに中古RCマンションが売りに出たという情報をいただきました。
当時の表面利回りが10%。
何も考えずにこの数字だけ見ると、よさげな物件に感じました。
マイソク(物件の規模などの概要を書いた用紙)とレントロール(各部屋の家賃と入居期間を書いた用紙)をいただき、ひとまず検討しますと伝え近辺の相場家賃を調べました。
結果、現在入居されている方の半分以上が、相場より2万円ほど高い家賃を払っていることが分かりました。
その原因は入居時期でした。
高い家賃を払っている部屋のほとんどが、新築時より入居されている方たちばかり。
つまり、この方たちが退去すると1部屋2万円ほど家賃を下げて募集しなければならないことになります。
結果はいわずもがな、満室時賃料は下がり利回りも下がってしまいます。
このことを営業の方に質問しました。
ジモーラモ(以下:ジ)
「今高い家賃の部屋の方が退去されると、募集家賃は結構下がるんじゃないですか?」
営業(以下:営)
「しかし、この物件は駅からも近く設備もニーズに合ったリフォームをしていますので、すぐに決まる物件ですよ!」
ジ
「確かにニーズに合った物件と思いますが、近隣の同じような物件でもここまでの家賃で募集かけてなさそうなのですが…」
栄
「価値のある物件には、入居者様もそれ相応の家賃を払っていただけますよ!」
ジ
「う~ん、募集サイトではこの家賃設定のところはないんですよね…」
栄
「わかりました!それでは私の方で近隣の家賃設定など情報をお調べしますね!」
…その後報告の連絡はなく、2ヶ月後くらいには売り物件から消えていました。
私のような資金力のない人が購入されてなければいいなと思いました。
これから不動産投資を考えている方はぜひこのようなことにも気をつけてくださいね!